HP移行のお知らせ
自邸を設計し、予想外の使われ方に満足している部分に階段があります。
リビングの一角にある階段は鉄骨のスケルトン階段なのですが、この場所は半分娘の遊び場として利用されています。
理由はいろいろあると思うのですが、ちょっとした段差が座りやすいのと、視点が高いので楽しいからだと思うんですね。
スケルトン階段である事も大きく影響していて、見た目の危なさはあるものの逆に足を階段に入れたりして座る事も出来て満足度が高いのだと思います。
これが、リビングから見えない位置にあると簡単には遊ばせられませんが、小さいうちから徐々に注意しながら慣らしたせいか、手すりの隙間から転落しそうになるなどの危ない状態には今のところなっていません。
そして、もう一つ。
鉄骨階段であるのでマグネットがくっつくんですよね。
ここに貼り付けて遊んだりしているうちにしっかりと娘の居場所として定着したようです。
現在(この記事の時点で1歳8ヶ月)は他にいろいろ遊びを覚え、階段周りで遊ぶ事も少なくなりましたが、それまでの間本当によくこの近辺で遊びました。
マグネットといえば、別件で黒板塗装の下地に鉄粉入りの塗料を塗りマグネットのつく壁を作ってみました。
建築の一部で子供が遊べる工夫。
おもちゃのように飽きたら捨ててなくなってしまうものとは違って、家の一部で遊んだ記憶は家の歴史とともに残り続けると思っています。
最近は柱に身長を刻んで成長を測る事はしなくなりましたが、なんかそういう成長の痕跡が家の一部に残るのもいいのではと思っています。
それと、子供は本当に狭いところが大好きですね。
そんな子供の遊び心を大切にした住まいを現在設計・施工中です。
上手く自分の体験が生かされ子供の成長にちょっとプラスになる仕掛けが出来たらと考えています。
そうそう、子育てを通じて感じるのは雛人形や鎧兜といったものを飾るスペース、仕舞う場所も重要だなぁと改めて感じた事。
こちらの予想以上に子供は喜んでいるんですよね。
うちの娘の場合は、絵本で雛人形の絵を見るたびに飾ってあった場所を指差すんです。
それだけ印象深かったんでしょうね。
子供が家を気に入ってくれるという事は家の間取りや形だけでなく、家で行うイベントや生活が楽しい事。
そういった楽しい思い出がいっぱい詰まった家になるように設計できたら素敵ですよね。
子供を実際育てるようになって、そう強く思うようになりました。
もちろん、建築の側で協力できる事は非常に少なく、あまり具体的に表現するとコンセプトばかりが先行していい家にならないと思っています。
ただ、そういう気持ちを忘れずに設計する事。
その心掛けとお施主さんとの対話が重要なのかな?